
ある日突然、相手方の代理人弁護士から内容証明郵便が届いた。
請求書には、自分が想像していた以上の金額が書かれている。
頭が真っ白になり、何から手をつければよいのか分からない。
慰謝料を請求されて当事務所にご相談に来られる方の多くが、こうした状況に直面しています。
ご注意いただきたいのは、相手方が提示している金額が、そのまま支払うべき額とは限らないということです。
事案の事情によっては、減額の余地が大きく残されているケースが少なくありません。
この記事では、渋谷で慰謝料を請求されてお困りの方に向けて、減額が認められるケース、交渉の進め方、鍵となる証拠、弁護士選びのポイントまでを、実務に携わってきた経験をもとに分かりやすくお伝えします。

監修:弁護士 馬場 洋尚
馬場綜合法律事務所代表弁護士 / 保有資格:弁護士(東京弁護士会所属)
東京都出身。令和元年12月、渋谷駅付近で馬場綜合法律事務所を開設。法的問題の最良の解決を理念とし、離婚、相続、遺言、一般民事、企業法務など幅広く手がけています。その中でも離婚・男女問題には特に注力して活動しています。ご依頼者の方と密接なコミュニケーションを取りつつ、ひとつ一つのご案件に丁寧に接することを心掛けています。

監修:弁護士 馬場 洋尚
馬場綜合法律事務所代表弁護士 / 保有資格:弁護士(東京弁護士会所属)
東京都出身。令和元年12月、渋谷駅付近で馬場綜合法律事務所を開設。法的問題の最良の解決を理念とし、離婚、相続、遺言、一般民事、企業法務など幅広く手がけています。その中でも離婚・男女問題には特に注力して活動しています。ご依頼者の方と密接なコミュニケーションを取りつつ、ひとつ一つのご案件に丁寧に接することを心掛けています。
渋谷・神宮前エリアで寄せられる慰謝料減額のご相談

減額を考える典型的な場面
慰謝料減額のご相談は、突然の出来事から始まることが多くあります。
配偶者から思いがけず話し合いを持ちかけられた、不倫相手の配偶者から内容証明が届いた、相手方の弁護士から電話があった、こうした場面で「ひとまず弁護士に話を聞きたい」とお越しになる方が大半です。
請求金額は事案によってさまざまですが、200万〜500万円のレンジで請求されているケースが特に多く、なかには800万円以上の高額な請求書が届くこともあります。
請求された側からすると、
「この金額は妥当なのか」
「払えなければどうなるのか」
という不安が真っ先に押し寄せるはずです。
渋谷・神宮前エリアでの相談傾向
馬場綜合法律事務所は東京渋谷駅から徒歩圏内に所在しており、渋谷駅・原宿駅・恵比寿駅周辺にお勤めの方や、近隣にお住まいの方からのご相談を多く頂いてきました。
お仕事帰りや週末に立ち寄りやすい立地で、慰謝料を請求されたという緊急性の高いお悩みにも、できる限り早めの初回相談の枠をお取りしています。

ご相談者の年齢層は30代〜50代が中心で、男女比はおおむね半々程度。会社員、自営業、医師や士業など、ご職業も幅広くいらっしゃいます。
慰謝料はそもそも減額できるのか


減額の基本的な考え方
結論から申し上げると、相手方から請求された金額は「言い値」にすぎず、そのまま支払う義務があるわけではありません。
慰謝料の額は、最終的には事案の具体的な事情を踏まえて、裁判所や交渉の場で合理的な水準に落ち着けていくべきものです。
実際の裁判例を見ても、不貞慰謝料の認容額は概ね100万〜300万円のレンジに収まることが多く、500万円を超える例は限られています。



請求書に記載された金額が相場を大きく超えている場合には、減額交渉によって大幅に下がる可能性があります。
相手の請求額が「上限」とは限らない
請求書に書かれた金額は、相手方が「これだけ欲しい」と希望する額にすぎません。
法的に認められる慰謝料額は、裁判例の蓄積を踏まえて算定されるため、相手の主観的な期待や感情だけで決まるものではないのです。



弁護士に相談すると、「ご自身の事案の場合、裁判になったらいくらくらいに落ち着く可能性が高いか」という見通しを示してもらえます。
この見通しが立つと、交渉のスタンスや落としどころのイメージが大きく変わってきます。
減額が認められやすいケース・難しいケース
減額が認められやすい典型的なケースは、いくつかのパターンに整理できます。
詳しくは次の章で解説しますが、たとえば「すでに婚姻関係が破綻していた」「請求額が裁判例の相場を大きく超えている」「不貞関係の期間が短く、回数も少ない」といった事情があれば、減額の余地は大きくなります。
一方で、長期間にわたって関係が続いていた、お子さまへの影響が深刻、相手方の婚姻関係を実質的に壊した、といった事情がある場合は、減額の幅は限定的になりがちです。
減額できる可能性が高い典型例


すでに婚姻関係が破綻していた場合
不貞行為による慰謝料が認められるためには、相手方の夫婦の婚姻関係が「平穏な共同生活」として保護されている必要があります。
最高裁判所の判例でも、すでに婚姻関係が破綻していたケースでは、原則として不法行為責任を負わないとされています(最高裁平成8年3月26日判決)。
すでに別居していた
家庭内別居が続いていた
離婚協議が進んでいた
といった具体的な事情を立証できれば、慰謝料の請求自体が認められないか、大幅に減額される可能性があります。
請求額が相場を大きく超えている場合
不貞慰謝料の裁判例の相場は、おおむね100万〜300万円が中心的な価格帯です。
500万円や800万円といった請求は、相場を大幅に超えていることが多く、交渉や訴訟の中で大幅に減額されるケースが珍しくありません。
特に、婚姻期間が短い、お子さまがいない、不貞関係が短期間で終わっているといった事情があれば、相場の下限以下に着地することも見込めます。
時効にかかっている、または完成間近の場合
不貞行為に基づく慰謝料請求権は、被害者が「不貞の事実と相手方の存在を知った時」から3年で時効にかかります(民法第724条第1号)。
また、不貞行為そのものから20年が経過すると、知らなくても請求権は消滅します(同条第2号)。
「不貞があったことを知ってから3年以上経っているのに、いまさら請求してきた」というケースでは、時効を理由に支払い義務を免れる可能性があります。
時効が完成間近の場合も、対応のタイミング次第で結果が大きく変わってきます。
相手が既婚者と知らなかった場合
不倫相手に対する慰謝料請求が認められるためには、不倫相手が「相手が既婚者であることを知っていた、または知ることができた」ことが必要です。
「独身だと聞かされていた」
「婚姻指輪を外していた」
「家族の話を一切していなかった」
といった事情を客観的に立証できれば、慰謝料の支払い義務がなくなる可能性があります。
ただし、出会い系アプリのプロフィールに既婚と書かれていた、休日や夜間に連絡が取れない時間帯があったといった事情があると、「知ることができた」と判断されやすくなります。
反省・誠意ある対応をしている場合
不貞関係を直ちに解消し、相手方や配偶者に対して謝罪する姿勢を示し、関係修復への配慮を見せているといった誠意ある対応も、慰謝料の減額方向に働く事情として考慮されることがあります。
逆に、不貞の事実を頑なに否定したり、相手方を挑発するような態度を取ったりすると、感情的な対立が深まり、結果として金額が高止まりする傾向があります。



対応の取り方一つで、最終的な金額が大きく変わることも珍しくないため、初動の段階から弁護士のアドバイスを受けながら冷静に進めることが大切です。
減額交渉の流れと期間


内容証明を受け取ったら最初にすべきこと
突然の内容証明に動揺するお気持ちはよく分かりますが、まずは落ち着いて、書面の内容を冷静に確認することが大切です。
請求している相手方の氏名、請求金額、請求の根拠となっている事実、回答期限、これらをひとつずつ整理しましょう。
注意すべきは、内容証明に記載された期限内に焦って回答する必要はないということです。
期限を過ぎたからといって、即座に裁判が起こされるわけではありません。
むしろ、慌ててご自身で返信したことで、相手方に有利な事実を認めてしまったり、不利な発言をしてしまったりするケースが少なくありません。



内容証明が届いたら、まずは弁護士にご相談ください。
相手方への対応は、弁護士から「現在対応を検討中である」という旨の通知書を出すことで、いったん時間的な余裕を確保できます。
交渉、示談、訴訟の選択肢
慰謝料減額の手続きは、大きく3つの段階に分かれます。
最初の段階は、当事者間または代理人弁護士同士の交渉です。



多くのケースは、この段階で双方が納得できる金額に着地し、示談書を取り交わして終結します。
交渉でまとまらない場合は、相手方が訴訟を提起してくることがあります。
訴訟になった場合は、裁判所の指揮のもとで主張・立証が行われ、最終的に判決によって慰謝料額が決まります。
なお、訴訟の途中で和解が成立して終結することも珍しくありません。
示談と裁判のどちらを選ぶべきか
請求された側としては、「示談で早めに終わらせたほうがよいのか」「裁判で徹底的に争うべきか」という判断に迷うことがあります。
一般的には、次のような視点で判断していきます。
示談を選ぶメリットは、解決までの期間が短いこと、費用負担が少ないこと、心理的な負担が軽いことです。
デメリットは、相手方の主張に一定程度譲歩する必要があり、ご自身の納得できる金額に届かない可能性があることです。
裁判を選ぶメリットは、裁判例の相場に基づいた合理的な水準で決着できる可能性が高いことです。
一方で、解決までに半年から1年以上かかる、費用と労力がかかる、判決の内容によっては希望する金額より高くなるリスクもある、といった面もあります。
どちらを選ぶかは、ご自身の事案の事情、相手方の出方、ご自身の経済状況や時間的な余裕などを総合的に考えて判断していくことになります。
一般的な解決までの期間
交渉での示談成立までの期間は、ケースによって幅がありますが、おおむね2〜6ヶ月程度を見込まれることが多いです。
訴訟になった場合は、提訴から判決まで1年前後、複雑な事案ではそれ以上かかることもあります。
減額交渉で鍵になる証拠


自分に有利な証拠の種類
慰謝料減額の交渉では、相手方の主張をそのまま受け入れる必要はありません。ご自身に有利な事情があれば、それを示す証拠を整えて主張していくことが大切です。
たとえば、相手方ご夫婦が既に別居していたことを示す住民票や賃貸借契約書、家庭内別居が続いていたことを示すメッセージのやり取り、相手から「独身だ」と聞かされていたことを示すSNSのプロフィール画面やメッセージの履歴、こうした客観的な資料が交渉の重要な材料になります。
相手の請求の正当性を崩す証拠
相手方が請求の根拠としている事実が、本当に立証されているのかを確認することも大切です。



「不貞の事実」を立証する責任は、原則として請求している側にあります。
たとえば、
肉体関係があったことを直接示す証拠が乏しい
メッセージのやり取りだけで肉体関係までは立証できていない
目撃証言の信頼性に問題がある
といった反論ができれば、請求自体の根拠を弱めることが可能です。
集め方と注意点
証拠の収集は、ご自身の手元にあるものから整理していくのが基本です。
スマートフォンのメッセージ履歴、SNSのスクリーンショット、メールのやり取り、写真や動画など、後から消えてしまわないようにバックアップを取っておくことをおすすめします。
時系列の整理が交渉を支える
意外と重要なのが、「いつ、何があったか」という時系列の整理です。
配偶者と相手方が知り合った時期、関係が始まった時期、ご自身の婚姻関係が破綻していたとされる時期、相手方ご夫婦の関係が悪化していた時期、これらをカレンダー形式で整理しておくと、減額の主張がぐっと説得的になります。
たとえば「相手方ご夫婦が別居を始めた後に交際が始まった」「ご自身は当時すでに離婚協議中だった」といった事実関係を客観的な日付とともに示せれば、慰謝料の発生根拠そのものを争う余地が広がります。記憶があいまいになる前に、関係する出来事をメモにまとめておくことをおすすめします。
慰謝料減額に詳しい弁護士の選び方


離婚・不貞分野の経験や実績を確認する
慰謝料減額の事案は、離婚・不貞分野の事案を多く扱ってきた弁護士に依頼するのが、結果にも満足度にもつながります。
事務所のウェブサイトで取扱分野が明記されているか、関連する解決事例や記事が掲載されているかをチェックしてみてください。



当事務所の離婚特化サイトもございますので、お時間ございましたら確認してみてください。
費用体系の透明性をチェックする
弁護士費用は、一般的に相談料・着手金・成功報酬の組み合わせで設定されています。
減額事案の場合、「いくら減額できたか」を基準に成功報酬が計算されることが多くあります。



ご依頼前に、費用の内訳と総額の見通しを書面で説明してもらえる事務所を選ぶと安心です。
「示談で終わった場合」「訴訟に移行した場合」のそれぞれで費用がどう変わるかも、事前に確認しておきたいポイントです。
相談時のコミュニケーションを見る
慰謝料の問題は、ご自身のプライベートな部分に深く関わる内容です。
話しにくい事情も含めて、安心してご相談できる弁護士かどうかは、長い手続きを乗り切るうえで欠かせない要素になります。



初回相談の際に、丁寧に話を聞いてくれるか、見通しや方針を分かりやすく説明してくれるか、質問に対して誠実に答えてくれるかといった観点で、相性を見ておくことをおすすめします。
よくあるご質問(Q&A)


- 内容証明が届いたら、すぐに払わないといけませんか?
-
いいえ、すぐに支払う必要はありません。
内容証明は「請求」の意思表示であって、それ自体が支払い義務を確定させるものではありません。



内記載された期限を過ぎても、いきなり強制執行が始まるわけではありませんので、まずは落ち着いて弁護士にご相談ください。
慌てて回答したり、安易に支払いを約束したりすると、後で不利になることがあります。
- 減額交渉は自分でもできますか?
-
理論上は可能ですが、相手方が弁護士を立てている場合は、ご自身だけでの対応は難しくなります。



法的な相場感を踏まえずに交渉してしまうと、本来であれば下げられたはずの金額を支払うことになりかねません。
また、感情的なやり取りに発展しやすく、結果として解決までの期間も長引く傾向があります。
- 既婚者と知らなかった場合は免責されますか?
-
「相手が既婚者であると知らず、知ることもできなかった」と立証できれば、慰謝料の支払い義務を負わないのが原則です。



ただし、立証は意外と難しく、「家族の話が一切なかった」「指輪をしていなかった」といった事情に加えて、それを裏付ける客観的な資料が必要になります。
- Q4. 一度払った後で追加請求されることはありますか?
-
示談書を作成する際に「本件に関し、双方は今後一切の請求を行わない」といった清算条項をしっかり盛り込んでおけば、後から追加請求されるリスクを大きく減らせます。
逆に、示談書がない、または条項が不十分な場合には、追加請求されてトラブルになるケースもあります。



示談書の作成は、弁護士に確認してもらうことをおすすめします。
- 裁判になったら逆に増額されるリスクはありますか?
-
可能性としてはありますが、相手方の請求額がもともと相場を大きく超えている場合には、裁判のほうが減額されるケースが多くなります。
判断材料が不足している段階でリスクを過大に見積もる必要はありません。具体的な見通しは、ご自身の事案の事情をお聞きしたうえで、弁護士がご説明いたします。
- 弁護士費用はどのくらいかかりますか?
-
事案の内容や、交渉で終わるか訴訟まで進むかによって変わります。
一般的には着手金が10万〜30万円程度、成功報酬は減額できた金額の16〜20%程度に設定されているケースが多くなっています。



当事務所では、初回のご相談時に事案の見通しと費用の目安をあわせてご説明いたします。弁護士費用の詳細は下記ページにもまとまっていますのでよければ確認してみてください。
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離婚・不貞慰謝料のご相談を多くご相談いただいています。渋谷駅・原宿駅・恵比寿駅などからアクセスしやすい立地で、お忙しい方でも立ち寄りやすい環境を整えています。
ご相談方法(LINE・メール・電話)
ご相談は、LINE・メール・お電話の3つの窓口でお受けしています。
- LINE:チャット感覚でやり取りできるため、お仕事の合間のご連絡にも便利です
- メール:お問い合わせフォームから24時間送信可能です
- お電話:平日10:00〜19:00(03-6427-2036)



慰謝料を請求された場面は、時間の経過とともに対応の選択肢が狭まることもあります。
お悩みの段階で構いませんので、まずはお気軽にご連絡ください。










