
家族への影響が心配で、自己破産に踏み切れない方へ!

借金の返済がもう限界。自己破産を考えているけれど、家族に迷惑がかかるのではないか



配偶者の給料が差し押さえられたり、子どもが進学できなくなったりしないだろうか



持ち家がなくなったら、家族はどこに住めばよいのか



保証人になっている家族に、影響が及んでしまうのではないか
このようなお悩みで、自己破産に踏み切れずにいる方は少なくありません。
「自分の借金なのに、家族を巻き込んでしまうのは申し訳ない」というお気持ちから、返済に苦しみ続けている状況を、私たちは数多く見てまいりました。
しかし、自己破産は本人だけの手続きであり、実際には家族に法的影響が及ぶ範囲は限定的です。世間で言われている「家族に迷惑がかかる」というイメージには、事実と異なる誤解も少なくありません。
本記事では、自己破産をした場合の家族への影響について、誤解を解いたうえで、実際に影響が及ぶ可能性のあるケースと、その影響を最小化するための進め方を、弁護士の視点で整理してお伝えします。


監修:弁護士 馬場 洋尚
馬場綜合法律事務所代表弁護士 / 保有資格:弁護士(東京弁護士会所属)
東京都出身。令和元年12月、渋谷駅付近で馬場綜合法律事務所を開設。法的問題の最良の解決を理念とし、離婚、相続、遺言、一般民事、企業法務など幅広く手がけています。その中でも離婚・男女問題には特に注力して活動しています。ご依頼者の方と密接なコミュニケーションを取りつつ、ひとつ一つのご案件に丁寧に接することを心掛けています。


監修:弁護士 馬場 洋尚
馬場綜合法律事務所代表弁護士 / 保有資格:弁護士(東京弁護士会所属)
東京都出身。令和元年12月、渋谷駅付近で馬場綜合法律事務所を開設。法的問題の最良の解決を理念とし、離婚、相続、遺言、一般民事、企業法務など幅広く手がけています。その中でも離婚・男女問題には特に注力して活動しています。ご依頼者の方と密接なコミュニケーションを取りつつ、ひとつ一つのご案件に丁寧に接することを心掛けています。
前提/自己破産は「本人だけ」の法的手続き
まず押さえておきたいのが、自己破産は申立人本人のみが対象となる手続きである、という基本原則です。破産手続きが開始されるのはご本人だけで、配偶者・子ども・親といったご家族は、法的には別人格として扱われます。
つまり、ご本人が自己破産をしたからといって、以下のような事態は原則として起こりません。
- 配偶者や親が、代わりに借金の返済義務を負うようになる
- 家族全員の預貯金が調査対象になる
- 家族全員が「破産者」として扱われる
- 家族の信用情報にも記録が残る
もちろん、後述するように一部のケース(保証人になっている場合、共有財産の場合など)では、家族に事実上の影響が及ぶことがあります。
しかし、「自分の破産で家族全員の人生が変わってしまう」という漠然としたイメージは、多くの場合、実際とは異なる誤解です。



まずは何が影響し、何が影響しないのかを正確に理解することから始めましょう。
【誤解を解く】自己破産で家族に影響がない7つのこと


多くの方が心配される項目のうち、法的には家族に影響が及ばないものを整理します。
① 配偶者の収入・給料・預貯金
ご本人が自己破産をしても、配偶者の給料や預貯金が差し押さえられることはありません。破産手続きの対象になるのは、あくまで申立人ご本人の名義の財産です。



配偶者の口座も凍結されるのでは?
というご心配を伺うことがありますが、それは事実と異なります。夫婦の口座であっても、名義が配偶者であれば、原則として破産手続きとは無関係です。
② 家族名義の車・不動産・その他の財産
家族名義の財産は、原則として破産手続きの対象外です。配偶者名義の車、子ども名義の預金、親名義の不動産などは、そのまま維持できます。
ただし、破産直前に「破産財団に含まれるのを避けるため」に、ご本人の財産を家族名義に付け替えていた場合、財産隠しとして問題視される可能性があります。この点は、後述する管財人による調査で確認されます。
③ 家族の信用情報(いわゆるブラックリスト)
自己破産の記録は、申立人本人の信用情報に載ります。家族の信用情報には、一切影響がありません。
配偶者や子どもが、新たにクレジットカードを作ったり、住宅ローンを組んだり、携帯電話の割賦購入をすることは、これまで通り可能です。
④ 家族の職業・就業への影響
自己破産で一時的に就業制限がかかる職業(弁護士・警備員・生命保険募集人など)は、あくまで本人が対象です。家族の職業には影響しません。
「配偶者が公務員だから、自己破産すると配偶者が失職するのでは?」というご心配をいただくこともありますが、これも誤解です。
⑤ 子どもの進学・就職
自己破産をした事実が、子どもの進学・進級・卒業・就職に直接的な不利益を及ぼすことはありません。学校や就職先に「親が破産している」という情報が通知される仕組みは、存在しません。
ただし、教育資金の面では影響が出る可能性はあります(学資ローンなどはご本人が組みにくくなる、私立進学の費用が捻出しにくくなる、など)。この点は事前に整理しておくとよいでしょう。
⑥ 相続の権利
自己破産をしたからといって、将来の相続の権利がなくなるわけではありません。ご両親から相続を受ける権利や、ご自身の相続人(配偶者・子ども)が相続を受ける権利は、そのまま維持されます。
⑦ 選挙権・戸籍・住民票
自己破産の事実は、戸籍や住民票に記載されません。選挙権が失われることもありません。
【要注意】自己破産で家族への影響が及ぶ可能性のある5つのケース


一方で、次のようなケースでは、家族に事実上の影響が及ぶ可能性があります。事前に整理しておきましょう。
① 家族が保証人・連帯保証人になっている借金
自己破産で最も注意が必要なのが、家族が保証人・連帯保証人になっている借金です。
ご本人が自己破産で免責を受けても、保証人・連帯保証人の返済義務は残ります。むしろ、主債務者が免責を受けたことで、債権者は保証人に対して一括請求を行うことがあります。
- 住宅ローンの連帯保証人・連帯債務者に配偶者がなっているケース
- 奨学金の保証人に親がなっているケース
- 事業資金の連帯保証人に配偶者・親族がなっているケース
こうしたケースでは、保証人になっているご家族と一緒に、対応方針を検討する必要があります。場合によっては、ご家族も一緒に債務整理を検討することもあります。
② 夫婦共有の財産(自宅不動産など)
自宅が夫婦の共有名義になっている場合、ご本人の持分は破産手続きで換価対象になります。共有持分の売却は現実には難しいため、配偶者が持分を買い取る、家自体を売却して代金を分割する、といった対応が検討されます。
住宅ローンが残っている場合の対応は、事案によってさらに複雑になります。
持ち家を残したい場合は、自己破産ではなく個人再生(住宅ローン特則)の検討も選択肢になります。
③ 家族カード
ご本人が本会員として発行した家族カードは、ご本人の自己破産で使えなくなります。配偶者が家族カードを使っていた場合、以後は使えなくなるため、事前に別の支払い手段を用意しておく必要があります。
一方、配偶者ご自身が本会員のクレジットカードは、そのまま利用可能です。
④ 一緒に住んでいる持ち家の処分
ご本人名義の持ち家は、原則として破産手続きで換価対象となります。家族と一緒に住んでいる場合、住み替えが必要になります。
引越し先の確保、お子さまの学区の変更、賃貸契約の手続きなど、生活面の調整が発生します。時間的な余裕をもって進める必要があるため、早めに弁護士に相談することで、家族への影響を最小化する動き方を組み立てられます。
⑤ 生活費・生活水準への影響
自己破産で借金の返済義務がなくなれば、それまで返済に充てていた金額は生活費に回せます。多くの場合、破産後の家計は改善する方向に働きます。
ただし、破産手続きから一定期間(5〜10年程度)は、新規のクレジットカード発行・ローン借入が難しくなるため、家計を現金主義で回す必要が出てきます。この生活スタイルの変化は、ご家族にも共有しておくとよいでしょう。
家族にバレないで自己破産できるか?おさえるべき4つのポイントを弁護士が解説


「配偶者や親に、自己破産することを知られたくない」というご相談を伺うことがあります。



結論からいえば、家族に知られずに進めることは、状況によっては可能です。ただし、いくつか押さえておくべき点があります。
① 郵便物への対応
破産手続き中は、裁判所・弁護士事務所・管財人などから郵便物が届きます。同居の家族と郵便物を分けるのが難しい場合、事務所からの送付を局留めにする、封筒の差出人名を工夫するなどの対応が可能です。
管財事件の場合、破産手続き中の一定期間、郵便物が破産管財人に転送される扱いになります。この点も含めて、事前に対応方針を整理しておくとよいでしょう。
② 官報公告への掲載
破産手続きの開始と免責の情報は、政府の広報誌である官報に掲載されます。ただし、官報を日常的にチェックしている方はほとんどおらず、家族や職場・近所の方に自然と知られることは、実務上ほぼありません。
③ 破産手続き中の管財人との面談
管財事件の場合、破産管財人との面談が必要になりますが、これは弁護士事務所または裁判所で行われるため、家族の目に触れることはありません。
④ 退職金の関係で在職証明が必要な場合
破産手続きでは、退職金見込額の確認のため、勤務先からの在職証明書が必要になることがあります。この場合、勤務先には「住宅ローンの見積もりに必要」など、理由を工夫して依頼することが可能です。
それでも家族に打ち明ける場合の3つのポイント


家族の協力が得やすくなる、共有財産・保証人の整理が必要・・・
こうした事情で、家族に打ち明けたほうがよいケースもあります。打ち明ける場合のポイントを簡単に整理しておきます。
① まず正確な情報を集めてから伝える
「自己破産すると家族全員に迷惑がかかる」といった漠然とした不安を、そのまま家族に伝えてしまうと、必要以上に心配させてしまいます。まず弁護士に相談し、ご自身のケースで家族に何が影響し、何が影響しないのかを整理した上で、正確な情報とともに伝えるのが理想です。
② 生活への影響を具体的に説明する
「借金の返済がなくなること」「一部の家計項目(クレジットカード等)が変わること」「一定期間はローンが組めないこと」——生活面での具体的な変化を伝えると、家族も現実的にイメージしやすくなります。
③ 保証人・共有財産があれば早めに相談する
家族が保証人になっている借金や、夫婦共有の財産がある場合は、家族の対応方針にも影響します。早めに打ち明けて、一緒に対応を検討する体制を作るのが望ましい流れです。
家族への影響を最小化するための3つの選択肢


「家族への影響が心配」という段階では、次の3つの選択肢を比較検討することをおすすめします。
選択肢①:早めに弁護士に相談する
家族への影響を正確に把握するためには、個別のご事情に応じた見立てが必要です。「家族に保証人がいるか」「共有財産があるか」「持ち家をどうしたいか」
こうした要素によって、影響と対応は変わってきます。



早めの相談ほど、選べる選択肢が多いというのは、実務上ほぼ共通する傾向です。
選択肢②:任意整理・個人再生も含めて検討する
「家族に持ち家を残したい」「家計に多少余裕があり、借金を減額して払い続けたい」といった希望がある場合、自己破産以外の選択肢(任意整理・個人再生)を検討することも可能です。
- 任意整理:裁判所を使わず、利息のカット・返済期間の延長を交渉。官報にも載らず、家族に知られずに進めやすい
- 個人再生:住宅ローン特則で持ち家を維持しながら、借金を圧縮
- 自己破産:借金の支払い義務を原則ゼロにする最終手段
どの手続きが最適かは、借入額・収入・保有財産・ご家族の状況などを踏まえて判断します。
選択肢③:手続選択の判断軸
判断の目安は次の通りです。
- 借金の総額が収入に対して大きすぎる → 自己破産
- 安定した収入があり、家を残したい → 個人再生
- 元本は返せそう、利息負担が重い → 任意整理
いずれのケースも、まず初回相談で状況を整理し、最適な選択肢を検討するところから始めましょう。
自己破産した場合の家族への影響についてよくあるご質問


- 配偶者に内緒で自己破産できますか?
-
原則として可能ですが、同居のご家族の資産状況や家計収支の資料が必要になる場面もあります。郵便物の対応、書類の準備方法など、個別に工夫が必要です。
- 親に迷惑がかかりますか?
-
親が保証人になっていない限り、法的な影響はありません。ただし、破産手続きで同居する場合の家計収支表が必要になるため、実務的な調整は必要です。
- 子どもが結婚するときに影響しますか?
-
自己破産の事実が、子どもの結婚・婚姻届に影響することはありません。ただし、結婚後にお子さま夫婦が住宅ローンを組む際に、親(あなた)が保証人になれないという実務的な制約が出る可能性はあります。
- 夫婦のうち片方だけが自己破産できますか?
-
可能です。実務上、配偶者の一方のみが自己破産することは珍しくありません。もう一方の配偶者の財産・信用情報には、原則として影響しません。
- 離婚して自己破産すべきですか?
-
離婚は、自己破産の要件ではありません。家族への影響を減らすために離婚を選ぶ必要は、原則としてありません。ただし、財産分与や慰謝料が絡む場合は、離婚のタイミングも含めた戦略が必要になることがあります。
- 家族が亡くなったときに相続はどうなりますか?
-
自己破産をしても、将来の相続の権利は失われません。ただし、破産手続き中に相続が発生した場合、相続財産が破産財団に取り込まれることがあります。この点は個別のご相談で確認してください。
- 家族カードが使えなくなったら、生活が不便になりませんか?
-
自己破産をしても、将来の相続の権利は失われません。ただし、破産手続き中に相続が発生した場合、相続財産が破産財団に取り込まれることがあります。この点は個別のご相談で確認してください。
- 家族カードが使えなくなったら、生活が不便になりませんか?
-
不便が生じる可能性はあります。配偶者ご自身が本会員のクレジットカードを事前に作っておく、電子マネー・デビットカードで代替する、などの対応が現実的です。
- 家族に知られずに相談できますか?
-
もちろん可能です。弁護士には守秘義務があり、ご相談内容が外部に漏れることはありません。事務所への連絡手段、書面のやり取り、面談場所についても、ご家族に知られない工夫が可能です。
相談者様の声


実際に当事務所にご相談いただいた方からのお声は、相談者様の声のコンテンツでご紹介しています。本記事と合わせてよければ確認してみてください。相談者様の率直なご感想を掲載しています。
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馬場綜合法律事務所は、債務整理・自己破産のご相談にも対応してきた法律事務所です。
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初回のご相談では、借入状況・収入・ご家族の状況を伺ったうえで、「ご自身のケースで家族に何が影響し、何が影響しないのか」を具体的にお伝えします。あわせて、状況を加味したうえで、自己破産・任意整理・個人再生のいずれが向いているかも、率直にご説明します。
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自己破産全般については前回記事もあわせてご覧ください
自己破産の基礎知識(メリット・デメリット・費用・手続きの流れ・自己破産に向いている方の特徴など)については、下記の記事もご参照ください。


まとめ/自己破産した場合の家族への影響が心配な方こそ、まず正確な情報を


自己破産の家族への影響については、実際よりも大きく心配されている方が多いというのが、実務での率直な印象です。
「借金の負担で家族に迷惑をかけたくない」と、ずるずると返済を続けているうちに、かえって生活が苦しくなり、結果として家族への負担が大きくなってしまう・・・
こうしたケースを、私たちは数多く見てまいりました。
自己破産は本人だけの手続きであり、家族への法的影響は限定的です。保証人・共有財産・家族カードなど、事前に把握しておくべき論点はありますが、多くの心配は正確な情報を得るだけで軽減されます。



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